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まんがのしくみ

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プロフィール:中野晴行(なかの・はるゆき)
1954年生まれ。和歌山大学経済学部卒業。 7年間の銀行員生活の後、大阪で個人事務所を設立、フリーの編集者・ライターとなる。 1997年より仕事場を東京に移す。
著書に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』『球団消滅』『謎のマンガ家・酒井七馬伝』、編著に『ブラックジャック語録』など。『マンガ産業論』で日本出版学会賞奨励賞、日本児童文学学会奨励賞を、2008年には『謎のマンガ家・酒井七馬伝』で第37回日本漫画家協会賞特別賞を受賞。2009年、「まんがのしくみ」連載を電子書籍化した『まんが王国の興亡 ―なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか―』をリリースしたのちに、『マンガ進化論』と改題して書籍出版。

まんが王国の興亡

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コラム 2009/03/26
第32回 「東京国際アニメフェア」からまんがとアニメの今日と明日を考えた


 3月18日から20日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「東京国際アニメフェア」を見学してきた。

 「まんがのシクミ」にアニメは関係ない、という人もいるだろうが、私はまんがとアニメは
一心同体と考えている。というわけで、今年のアニメフェアをレポートしてみる。
 
 総出展社数は255社。うち56社が海外出展社で、今年は11カ国からの出展があった。
イスラム圏からも、イラン、UAE/ドバイ、インドネシアが参加している。

 今年は中国からの出展社が多いのが特徴で、実に19社が参加。昨年はCGアニメが中心だったが、ディズニー風があったかと思えば、ジブリ風のものや、いわゆるジャパニメーション・スタイルもあり、技術的にはかなりの水準だと思った。中日合作の『三国演義』などは、国際的にも評価を受けそうなできだ。

 なにしろ人口では圧倒的に日本よりも多いのだ。才能あるアニメ作家が出る可能性は高いだろうし、なによりも人海戦術になるアニメ制作には有利だ。今後は日本の強力なライバルになるだろう。

 見学者の中にも外国人は多い。日本のアニメ会社のブースで熱心に話し込むビジネス
スーツの外国人もいる。日本のコンテンツビジネスの未来に、まんがとアニメが大きく
関わっていることを肌で感じた。


 ただ、全体の印象は、一般の入場者がいない「ビジネスデー」ということもあるのか、盛り上がりはいまいち。同じビジネスデーでも去年のほうが賑やかだったように思う。

 原因は、出展各社が今年の新作アニメの露出を極力抑えていることにありそうだ。例年なら、春の新番組のタイトル部分や、夏休みの大型作品の予告編が上映されるのだが、そういった映像展示が少なくなっているのだ。

 夏に、伝説の名作アニメ『宇宙戦艦ヤマト』の新作公開を予定している東北新社のブースは、ヤマトの大きな看板があるほかは、登場人物の森雪に扮したコスプレ・コンパニオンがいるだけ。ほかのブースも同じようなものだ。

 これは、昨年大ヒットした宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』が、徹底して映像情報の露出を抑え、公開直前に試写会を行う、という手法で成功を収めたのに倣ったものと思われる。
映像は見せてもほんのわずか、という展示スタイルをとっているのだろう。

 一方で、これは去年からの流れだが、キャラクター商品関係の展示が増えている。
コスプレ・コンパニオンやキャラクター着ぐるみも目立つ。不況下での制作費削減の中、
キャラクター版権収入はこれまで以上に重要な収益源になると思われ、商品化やキャラ
クター版権に各社が力を入れている現れだろう。

 国産キャラクターだけでなく、今回会場内で特に目立っていたのが、ロシアのパペットアニメの人気者・チェブラーシカだ。オリンピックのロシア選手団公式マスコットとしてもおなじみの、熊と猿の中間のような謎の小動物。元々はエドワード・ウスベンスキーの児童文学から生まれたキャラクターだ。こうした海外のキャラクターが日本で商品展開される例はディズニーやスヌーピーが有名だが、近年は世界各国のキャラクターにバイヤーの目が行っているようだ。

 もうひとつ面白いなと思ったのは、パーソナル・アニメ(個人、または少人数で制作するアニメ)をつくる若いクリエーターが確実に増えていること。こういう流れが進むと、まんがとアニメの境目はますます曖昧になるはずだ。ペンで描くのか、筆で描くのかの選択と同じような感覚で、紙のまんがか、パーソナルアニメかを選ぶ時代が、もうすぐやってくる。これだけは間違いないと思った。


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