毎日更新!!漫画大目録

世界最大の電子書籍大目録

電子書籍販売点数39916点

特選 漫画人インタビュー

特選 漫画人インタビュー
最近のインタビュー一覧 アクセス数ベスト10
前へ

連載目次へ
 
インタビュー 2009/08/01
MANGAを束縛するとJUDOの二の舞になりかねない
京都国際マンガミュージアム研究センター長 牧野圭一さん(3)


――しかし、日本のマンガ界を支えてきたマンガ誌をはじめ、マンガ市場は毎年右肩下がりの状況です。

数値的に日本のマンガが衰退しているというのは、あくまで出版社側の見方です。客観的に、出版社の存在を、マンガという商品を生み出すための工場に例えると、その工場の力は確かに弱くなってきているかもしれません。しかし、マンガを生み出し、読みつづけてきた民衆のエネルギーはまったく弱まっていません。別の工場の製品を買うだけの話です。

――マンガ家と読者の問題ではなく、既存のマンガ出版のビジネスモデルの問題ということですね。

工場というか、市場の王様が変わっても文化を支えている民衆は変わりません。その王様がネットやケータイにとって変わるのか、ゲームになるのかはわかりません。しかし、マンガという、民衆の「言語」が取り上げられない限り、その言語がより伝わりやすい「王国」に移り住んで、うまく生き残ってゆくのが日本のマンガ市民ですから。

――2006年11月に京都市と京都精華大が共同でマンガミュージアムを設立した狙いも、世界を見据えたマンガ教育のためですか?

当初、私の個人的な希望としては、マンガに関するいろいろなものやひとが集まる「平成版トキワ荘」をイメージした場所を作りたいなと思ったんですね。そこで、当時の文化庁の河合隼雄長官(故人)と寺脇文化部長に相談しました。
最初思いついてからオープンするまでわずか3年でしたね。
しかしマンガというのは当初の思惑をこえて勝手に大きく広がっていくものなんです。
力強く俊敏な、大きな生き物にも例えることができます。コントロールが難しいのです。
研究者はたくさんのマンガ本を所蔵しマンガ学の研究ができる研究施設を。大学側は他校との差別化(笑)。
私自身は卒業生が就職するまでの活動拠点として。市の教育委員会は廃校になった学校の活用モデル、教育モデルとして。また、人間学やコミュニケーション学を研究している学生たちは日本文化の良さをもっとアピールする場所にしたいとどんどん参入してきました。

京都国際マンガミュージアム 京都国際マンガミュージアム 京都国際マンガミュージアム


――産学官民共同のミュージアムですね。運営側は調整がかなり大変かと思いますが。

現在は、私が研究センター長、養老さんが館長をやっていますが、このミュージアムをコントロールすることなんて誰にもできません。短期間にいろんな思惑がばらばらに動いていった結果として、誰の思惑でもなく勝手に成長していくミュージアムになっています。無論、必要な管理はしていますが、完全には制御しきれないのがマンガという自由な文化なのではないでしょうか。それを暗黙のうちに了解し、容認することが日本のマンガ・アニメを大きく育てるコツであるかもしれません。

――来館者の1割以上がアジア圏を中心とした海外のマンガファンと伺いました。マンガは国内だけではなく世界にも勝手に広がってしまうということでしょうか?

そういうことだと思いますね。そういえば最近、当ミュージアムの展示物の一部をもとに、フランスのジャパンエキスポにもブースを出店したんですね。そうしたら、向こうのマンガファンがすごく集まったんです。日本のマンガキャラクターのコスプレをしたファンが列をなしました。
それを見た展示会の関係者は、このブースをヨーロッパ各国にも出して巡業しようなんて言っています。

柔道がそうであったように、日本がいつまでも白の胴着や、古来の形式に拘っていると、向こうのマンガファンやマンガ家が「カラー胴着」、「階級制」のような全く新しい発想の「MANGA」を生んでしまうんじゃないでしょうか。


まんが王国の興亡 ―なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか―
『まんが王国の興亡 ―なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか―』
中野晴行 525円(税込)

まんが業界騒然の人気WEB連載『まんがのしくみ』がついにeBook化!新たなエピソードや市場データを盛り込んで大幅に加筆修正。まんが王国ニッポンの歴史と未来がまるごとわかる、まんが界の入門書としてエコな電子書籍教科書になりました。2004年に出版され、まんが業界の話題をよんだ『マンガ産業論』以降の話題のトピックやウラ話、将来展望を中心に国内外の最新動向を盛り込んだまんが業界人・まんが業界志望者待望の1冊。世界屈指の読者層と描き手層を誇る日本のまんがはなぜ巨大産業になったのか?まんが産業を支えてきたメジャーまんが誌はなぜ休刊しつづけるのか?まんがビジネスに興味を持つ学生やビジネスマンのさまざまな疑問が、これ1冊ですべて解決!コミケなどの2次創作市場、キャラクタービジネス、メディアミックスなど現在の市場動向・課題を分析しつつ、デジタルコミックや世界展開、マンガ教育、政府のコンテンツ振興施策といった官民による将来構想も収録。全世界すべてのまんが好き必読の1冊。これを読まずして、まんがはもう語れない――。  
 

ページのトップへ

次へ 前へ
連載目次へ

このサイトは、インターネットエクスプローラー(Microsoft Internet Explorer) Ver.5.5 SP2以上でご覧ください。

ebookjapan